[初心者]基本的な右ミドルの蹴りかた[キックボクシング]

今回のテーマは基本的な右ミドルの蹴り方です。

蹴りの中で左右のミドルキックは一番反復練習を繰り返すと思います。
同じミドルキックでもしっかり足・腰を回して振り抜く、攻撃が外れた時を想定、次の攻撃につなげる等、状況によって蹴り方を変える必要があります。
例えば、前蹴りを当て相手が体勢を崩した場合はしっかり振り抜きます。
相手が体勢を崩した場合、蹴りを避けられる可能性も少ないため威力を重視するからです。
ジャブを打ち合っているなか蹴りを出す場合は、いきなり大きく振り抜く蹴りは蹴らないようにします。
相手にカットされたり、避けられて反撃される可能性も考慮するからです。
そのため同じミドルキックでも、それらの状況を想定し何度も反復練習します。
例えば、しっかり振り抜く、次の攻撃につなげる、腕のダメージを狙うなどです。
他のスポーツ、野球で例えるとバッティングと言っても、状況によって打ち方を変えると思います。
打順、アウトカウント、ランナーの有無を考慮しコンパクトに打つ、思いっきり打つ、右方向に打つなどです。
このように同じミドルキックでも状況によって蹴り方を変える必要があります。
今回の内容は、まずはしっかり振り抜くことを目的としています。

それでは本題に入ります。
ミドルキックの動作は構えから踏み込んで攻撃し構えの体勢に戻ります。
簡単に説明すると、構え、踏み込み、攻撃、構えです。
踏み込んで攻撃するまでの動作は1、2のテンポで最初は問題ありません。
馴れてきたら必ず1つのテンポにする必要があるのですが、難しいのでまずは1、2のテンポから始めることをお勧めします。
必ず1つのテンポにする理由は攻撃を当てるためです。
実践で1、2のテンポで攻撃すると、1の段階で相手に反応されます。
それを防ぐため1つのテンポにします。
蹴りの動作を覚えることが目的の場合は、テンポを2つに分け1つずつ確実に練習することをお勧めします。

そのため1、2のテンポで今回は説明します。
まず、構えの体勢をとってください。
構えの体勢は過去の動画で話しているので今回は省略します。
その状態から左足を左斜め前に半歩踏み込みます。
右斜め前に踏み込むと明らかに蹴りにくくなるので間違える可能性は少ないです。
踏み込む時に大きく踏み込むと右足を上げにくくなります。
例えばウォーキングランジを実施してみてください。
足幅を広げると負荷が強く、次の足を上げにくくなると思います。
足を上げるだけなら足幅は狭い方が上げやすいです。
例えば足幅を骨盤程度にとって足上げを実施してみてください。
その動きと、足幅を肩幅以上にして足上げを実施したときの動かしやすさを比べてみると分かりやすいです。
おそらく、ある程度以上足幅を広げると動かしにくくなると思います。
そのため動かしにくくなる足幅以上には広げないようにしてください。
足の上げやすさを考慮すると、まずは半歩程度を目安に踏み込んでください。
踏み込む角度の目安は30~45度です。
真っ直ぐ踏み込むと相手がパンチを打ってきた時、不利になります。
角度が大きくなると距離が近付きません。
極端な話、90度に踏み込むとむしろ相手と離れてしまいます。
例えば横断歩道を渡る時、横に90度移動した場合を想像してください。
目的地より遠くなってしまったのが分かると思います。
話を元に戻します。
踏み込むと同時に右手で頭部をガードします。
ここまで話した動作を1のテンポで実施してください。
実際にやってみると、構えの体勢から、1。

では、次に2の動作の説明に入ります。
踏み込むと同時にガードしたら、次は右足を真っ直ぐ上げ腰を回します。
この時、横から回す軌道になると動作距離が長くなり当たるまで時間がかかります。
つまり、遅くなります。
この遅くなる…は蹴りのスピードではなく距離が長くなることが原因です。
蹴りが遅くスピードを上げる努力しても結果が出ない場合は軌道を見直してください。
体を支えている左足は腰を回すと同時に回ります。
左足を意識してクルっと回す表現より、腰を回すと左足も回るという表現の方が適切だと思います。
この表現は個人差があります。
爪先で延び上がる意識の人もいます。
左足を意識して回すと腰も回るという表現の人もいます。
自分に合う方法を試してください。
腰が回れば真っ直ぐ上げた足も横の軌道になります。
この時に腰が入らず足を上げるだけだと左足で体を支えにくいです。
さらに、威力が出ず表面を蹴るだけになってしまいます。
腰の回し具合をどの程度にするのが自分に合うかサンドバッグ等で確認してください。
確認方法はサンドバッグに右足を置いて確認します。
この時に当てるポイントと角度も確認します。
当てるポイントは足首より少し上の脛の部分です。
当てるポイントが上にいくほど距離が出せなくなります。
脛の一番上だと膝蹴りの距離になります。
反対に距離を長くするため足首より下、足の甲などで当てると足首を痛めます。
足首を痛めると、蹴りの練習もパンチの練習も難しくなります。
そのため、最初はあまりギリギリを狙わなくても問題ありません。
練習を繰り返すと、この距離で、このぐらい踏み込んで、このぐらい腰を回せばどこがあたるか分かるようになります。
怪我をしたら練習出来なくなるので、足の甲で当てないよう気を付けてください。
当てるポイントは脛です。
膝の角度は90度を目安にしてください。
重心もまずは蹴りやすい重心で問題ありません。
重心や角度は、後々自分がどうしたいかによって変えます。
例えば、自分の蹴りに相手がパンチで対応する場面を想定します。
自分の方が身長も高くリーチも長い。
そういう場合、相手がパンチで対応してきても届かないよう蹴り方を調整します。
反対に攻撃により特化し、蹴りの後、さらに追撃したい人は重心を前に置く場合もあります。
重心を後ろから前に移す、その少しの時間も削って、より早く、より多く攻撃したい人がそうする印象です。
つまり、自分がどのようにしたいかによって後々変更します。
そのため、あまりに後ろに偏ったり、前に偏ったりしない限り蹴りやすい重心で問題ありません。
足・腰と同時に上半身も動かします。
左手は頭部をガードし、右手は右下に振り抜きます。
右手の動かし方は蹴りをしっかり振り抜くことを目的とした場合、右下に振り抜くのがお勧めです。
後々、状況に応じて相手の攻撃を防御する軌道に修正出来るようになります。
今回の蹴りの目的は、まずはしっかり振り抜くことなので右手もしっかり振り抜くことをお勧めします。
思ったように振り抜けない場合は右手に力が入りすぎている可能性があります。
右手がギュ~っと力んでガチガチに固まってないか確認してください。
もし、力んで固まっている方は、野球のボールを投げてみてください。
おそらく適度な力加減で右腕を振れると思います。
その感覚で上手く振れるか試してください。
足・腰・腕と連動して振り抜い後は、相手に対し背を向けることになります。
その時、必ず相手がいることを想定し視線を残すようにしてください。
背を向けると視線も離しやすいので注意が必要です。
実践で蹴りを避けられた場合、視線を離してしまうとかなり危険です。
避けられてしまっても視線を離さない練習をしときましょう。
サンドバッグやミットで練習する時の注意点は、相手の反動を利用しないようにしてください。
具体的には蹴ったあとグッと足を押してその反動で元の構えに戻ることです。
相手は蹴りをカットしたり避けたりします。
自分の思った通りに動いてくれません。
相手も勝つための行動をとります。
そのためサンドバッグの反動を利用するクセをつけると、相手に避けられた時隙が大きくなります。

以上が右ミドルの動作と注意ポイントです。
では、最後にまとめます。
踏み込み動作、攻撃動作を分けて1、2のテンポから練習を始める
左足は斜めに半歩踏み込む
踏み込むと同時に右手で頭部をガードする
踏み込みとガードが1のテンポ
右足を真っ直ぐ上げ腰を回す
腰を回せば左足も回り、真っ直ぐ上げた蹴りの軌道も横方向になる
足・腰と連動し右手を振り抜く
左手も連動して上げ顎を守る
振り抜いて背面を向いても視線は外さない
当てるポイントは脛
足の甲で当てると足首を痛めやすい
力んで腕が振れない場合はボールを投げる力加減で試してみる
サンドバッグやミットの反動を利用しない
このような手順で練習を積み重ねてください。
僕の場合はしっかり振り抜く方法をミドルキックの基本としました。
人によっては構えに戻りやすくする蹴り方を推奨する人もいます。
その人が今まで積み重ねてきた練習や実践、経験から出した答えです。
例えば、相手も勝つために動いてくるから自分の思った通りには動かない。
そのため、少しでも隙を少なくしたい。
色々な経験を歩み答えを出してます。
その経験から出した答えが構えに戻りやすくする蹴り方だったりします。
色々な蹴り方がありますが、その人が今まで積み重ねてきた練習、試行錯誤、実践経験の結晶です。
ミドルキックは一番練習します。
何度も、何度も、何度も蹴り込みます。
ありったけの情熱を、気持ちを、その蹴りに注ぎます。
もちろん、その情熱をミットで受け止めてくれる人がいることも忘れません。
それらを考慮し蹴りのフォームを習うと、その人が積み重ねてきた部分に触れることが出来ます。
積み重ねてきた物が魅力的な人と出会うと、格闘技だけでなく人生で大切な何かも同時に得ることが出来ます。
格闘技があなたにとって大切なものを得るきっかけに繋がれば幸いです。

このようにミドルキックは蹴り込む量も多く思い入れのある攻撃になると思います。
この動画が日々情熱を注ぐ蹴りの第一歩に繋がれば幸いです。
過去に他にも構えや、ジャブ、アッパーなども紹介しています。
興味がある方は視聴してみてください。
それでは今日はこの辺で終わります。
ありがとうございました

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